BE-DO! 構想
About
BE-DO!構想は、世田谷区が公募した(仮称)世田谷地域青少年交流センターに向けて提案した、若者のための公共施設構想です。一般社団法人ASIBAと、三茶WORKの会員、ネイバースクール参加者等の若者メンバーと共に、それぞれの経験や強みを持ち寄ってチームを組成し、施設コンセプト、空間、プログラム、運営、広報までを一体でデザイン・設計しました。残念ながら選定には至りませんでしたが、新しい若者支援と施設のあり方としてアーカイブします。
構想内容
「支援未満」の若者が、孤立しやすい

10代後半から30代は、進学、就職、転職、人間関係など、人生の選択が重なる時期です。将来への不安や焦りを抱えていても、それが明確な悩みとして言葉になるとは限りません。
「このままでよいのか分からない」
「何かを変えたいけれど、何から始めればよいか分からない」
若者との対話から見えてきたのは、相談に行くほどではないけれど、一人では抱えきれない状態を支える場所や関係が少ないという課題でした。

相談できる知り合いを、まちに増やす
BE-DO!が目指したのは、相談窓口を増やすことだけではありません。

困ったときや何かを始めたいときに、「あの人に聞いてみようかな」と顔が浮かぶ。そんな知り合いが、自分の暮らす地域にいる状態をつくることです。
日常的に顔を合わせる人。少し先を歩く先輩。興味の近い仲間。まちの中に生まれる、そんな関係そのものが、若者を支える力になると考えました。

「ただ、いていい」から「やってみる」へ
相談できる関係を育てるには、困ったときだけ訪れる相談施設ではなく、普段から通える場所が必要です。
Beingは、ただ、いていいこと。
Doingは、やってみること。
安心して過ごすことと、小さな挑戦を別々にせず、その間を自分のペースで行き来できる施設を構想しました。

人との距離を、自分で選べる空間

人と話したい日もあれば、ひとりで静かに過ごしたい日もあります。
BE-DO!では、空間を用途ごとに壁で区切るのではなく、家具や本棚の配置によって、人との距離にグラデーションをつくりました。
ひとりで過ごす。周囲の気配を感じる。少し会話する。その日の気分に合わせて、自分に合った居場所を選べる空間を提案しました。
食・学び・遊びから、関係を育てる
また、交流そのものを目的にした場は、人と関わることが得意ではない若者にとって、かえって入りづらいことがあります。
だからこそBE-DO!では、料理、本、ゲーム、学び、仕事、ものづくりなど、共通の行為や関心を通じて、自然に会話や関係が生まれる環境をつくりました。
なかでも、5つのフロアに役割の異なる食の場を配置。一緒につくる、隣り合って食べる、小さな店やイベントを試すといった体験から、会話や役割、若者の挑戦が生まれる施設を提案しました。

立ち止まる、出会う、試してみる空間設計

5つのフロアは、単なる機能の積み重ねではなく、若者の状態や関わり方の変化として構成。
低層部は、目的がなくても訪れられる「立ち止まる場所」
中層部は、人や情報に触れられる「出会いと学びの場所」
高層部は、興味やアイデアを形にする「進む・挑戦する場所」
一つの建物の中で、休む、出会う、学ぶ、試すというプロセスを緩やかにつなぐ構想です。
若者がつくり、地域とともに育てる

提案段階から若者がワークショップや模型、図面の検討に参加し、自分たちが欲しい場所や過ごし方を空間に反映。
開設準備期間にも、アイデアを実際のまちで小さく試す「若者リビングラボ」など、完成した施設を若者に提供するのではなく、つくる過程から若者が参加し、地域や行政、まちの大人たちとともに更新し続ける公共施設を提案しました。
この施設が地域にもたらすもの
BE-DO!が目指したのは、完成したプログラムを提供するだけの施設ではなく、人と関係と活動が育ち続ける仕組みをつくることです。

若者がまちで人と出会い、役割を持ち、小さな挑戦を始める。地域の人にとっても、若者の考えや活動を知り、一緒に何かを始める機会が生まれる。
行政にとっては、課題が深刻化する前から若者とつながり、必要に応じて適切な支援へつなぐ接点になる。
そして、そこで生まれた出会いや活動が、新たな仲間やプロジェクトにつながり、まちの中に少しずつ広がっていく。
若者のための施設でありながら、若者だけに閉じず、まちの未来を育てる拠点になる。
それが、BE-DO!で提案した、これからの公共施設のあり方です。
